劇団ゲキハロ第11回公演「戦国自衛隊」女性自衛官帰還セヨ〜ゲキハロ的楽しみ方〜

自分は劇を見る時に結構感情移入をするので、1公演観るととてもクタクタになってしまうので、東京公演は基本1日1公演にしているのですが、自身の帰還初日となった18日は舞美嬢、なっきぃ℃-uteの誇る2大女優が出演することもあって、朝昼と2公演入りました。

朝は1階9列の上手。やや距離もあったので上手でも思ったほど見切れた感はなく、且つかなり舞台も近く感じました。
中央だと頭が被るとかなり見ずらいですが、やや端ということもあって、この辺のストレスも少なくて、思ったよりいい席だなって思いました。
昼は18列の中央。やっぱり劇をキチンと見るならここですね!!初見は14列以降の段差がある方が前のストレスが殆どないので絶対おススメです!

当日は、1年振りということもあって、少し迷ってしまいました。。。
思い出の沢山詰まったサンシャイン劇場、あの空間は妙に癒されます。
以下、ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方は読まないようにご注意を!

今回は劇場のセットの豪華さにビックリしました。舞美嬢もブログで上げていたように戦車のセットも本格的。
自分の観てきたゲキハロでは一番豪華なんじゃないかと思いました。

スクリーンには、女性自衛官のリーダーでもある熊井ちゃん以下、メンバーの凛々しい表情が激しいBGMと共に映し出されて、非常に高まります。

今回のお話はベリキューメン扮する5人の女性自衛官が訓練中に突然戦国時代にタイムスリップして、向こうの時代で一悶着の末、サブタイトル通り現代へ帰還するというもの。
基本的にはこれだけです(^_^;)

核となる戦国時代でのお話は、勝野洋扮する戦国武将、本多とその一人娘りーちゃん扮する麗を中心に進みます。
国を憂う本多が、悪政をしく齊藤とその養子で猛将でもある義明を仲違いさせる為に、麗の美貌を利用します。
互いに惹かれ合う義明と麗が、国の為に引き裂かれようとすることに我慢できない自衛隊員が立ちあがるというもの。。

死守と共に貫かれている「自衛官は人を傷つける為のものではない、国民を守る為のものだ!」憲法でも一応うたわれているこの思想。。ただそれを恋愛感情でいとも簡単に破ってしまうのはどうなんでしょ?

それとこの戦国時代の話は、舞台を観て気付いた方もいると思いますが、「三国志演義」で、王允が中国四大美女にも数えられる娘の貂蝉を使って悪政をしく董卓呂布を仲違いさせた、いわゆる「美女連環の計」がモチーフになっています。
モチーフというか質の悪いパクリというか。。決定的な違いは貂蝉は自分の意志で董卓の下に下ったのに対して、麗は完全に騙されたこと。
まぁ、この悲壮感故に自衛隊が立ちあがる根拠になるのかもしれませんが、それにしても齊藤に襲われるシーンとか、麗が悲惨過ぎました。

肝心の戦国時代に持ってきた銃と戦車はみやびちゃん扮するエリカ様(平井江里香、別に劇中でそう呼ばれてません)が、「女性に何ができる!」とバカにされた時に怒りを発散する道具になり下がってました。

と、以前も書いたようにストーリーは散々ですが、それでも悪をバッタバッタなぎ倒して、無事麗と義明は結ばれて、最後は5人共現代に戻れるというとてもハッピーなお話なので、まぁベリキューファンとしては救われるところです。

ただストーリーが軽い故に非常に肩の力を抜いてメンバーの演技を楽しめます。今回はゲキハロらしい個性的なキャラクターを、これまたメンバーの個性が活かされるようなキャスティングになっています。

  • 伊庭知里(熊井ちゃん):隊のリーダーでマジメ
  • 本多麗(りーちゃん):本多の娘で、典型的な悲劇のヒロイン
  • 平井江里香(みやびちゃん):非常に勝気な性格。「女に何ができる!」という父親とその考え方に非常に敏感に反発する
  • 岩本真耶(茉麻):SFオタクで世話好きのオバちゃんキャラ

りーちゃんの姫オーラは流石だし、他のベリメンも自分がこれまで観てきたベリのキャラの延長線上にあって、非常にキャラに合っているなって印象を受けました。
逆にいうと真新しさもなく、魅かれる部分は少なかったのですが。

一方℃-uteの誇る2大女優は

  • 琴塚七海(なっきぃ):ボーイッシュな戦国オタク
  • 丸岡志穂(舞美嬢):泣き虫で甘えん坊の末っ子キャラ

と、これまで見せたことのない役柄に挑戦していました。



あの名作らんから180度イメチェンしてきた舞美嬢。舞美嬢自身も言うように、舞美嬢の泣き虫キャラなんて初めてですが、もうとことん成り切ってました。
チョロチョロチョロチョロ周りをみては、いつも知里や真耶の影に隠れる。あの大きな体で隠れてる姿がもう本当にカワイイ。
やたら恋愛好きで色々妄想している時の一人芝居はらんの回想シーンを彷彿とさせました。こういうところにも経験が生きているんだなぁと思いました。

最後の戦闘シーンでは、泣きながら肘鉄をかまして倒すシーンは、同じく泣き虫で甘えん坊の末っ子キャラ、ももクロちゃんのしおりんの怪盗少女のPVでの戦闘シーンを彷彿とさせていましたwww

あのカッコイイ舞台女優矢島舞美の体当たりで挑んだ泣き虫キャラはとにかく必見だと思います。



そしてなっきぃです。
司ちゃん(寝る子は℃-ute)、萩原きい(あたるも八卦)、春野スミレ(ロマンティックによろしく)等これまでもイノセントワールド全開な演技は定評のあったなっきぃですが、この舞台では、とにかくそのスピード感に圧倒されます。
中禅寺なき子でも感じたのですが、なっきぃの演技には非常にスピード感があります。
台詞回し、動き、表情の切り替え、感情を込めるのも大切ですが、こういったスピード感も演技には大切なんだ!ってのをなっきぃは気付かせてくれます。

「信長こねーかな!」とか暴走する真耶に蹴りをくらわすシーンなど、この舞台ではとにかくなっきぃは笑いをかっさらっていきます。

舞台では最後にメンバーが一人挨拶をしますが、朝はりーちゃん、昼はみやびちゃんでした。
(ちなみに入らなかったこの日の夜は舞美嬢だったそうです。゚(゚´Д`゚)゚。)

みやびちゃんは、「熊井ちゃんとこんなに顔を近づけて喧嘩したことなんてないので新鮮でした!」なんて語っていました。

思わず笑ってしまいましたが、これがゲキハロなのかもしれないなと思いました。

あくまでもベリキューがいて、勿論真剣に演技をしているのですが、その延長線上に色々と非日常的な彼女達のキャラクターや関係性を楽しむ。

この劇は肩の力を抜ける分、℃-uteファンである自分は何回も楽しめる劇かなと思いました。



しかし。。。

死守組をみてその考えを改めなければとも思いました。

やはりゲキハロといっても本は大切だよな、と。

そして、やっぱりベリよりも℃-uteの方が演技は上かな、というのは大きな間違いだったと。
ベリの主力は間違いなく死守組だと感じました。


作品の完成度は死守の圧勝でした。

死守の感想はまた次の機会に。。。