「美しく勝つ!」というフィロソフィー

かつて哲学のゼミに入っていた友人とレポートの話をしていた時、こんな話をしてました。「哲学つっても誰かの哲学を研究するだけ。「お前らごときが自分の哲学を構築できる訳ないだろう」ってのが指導教官の持論なんでね。」

ふ〜ん、そんなもんかね、なんて傲慢な教官だ!なんて思いながら聞いていました。

まぁ、この教官はおかしなヤツでどこまで考えて発した言葉かは知りませんが、確かに自分の考え方みたいなものが、周りから「哲学」と呼ばれるようになるまでには、それなりに時間がかかるし、とても難しいことだとは思う。

と、こんなことを思ったのは、早貴の欧州チャンピオンズリーグFCバルセロナの優勝を見て。決勝の相手は前年の覇者でもあり潤沢な資金を背景にスター選手をかき集める、タレント軍団が覇を争うプレミアリーグの象徴マンU。確かに凄いメンツを集めているんだけど、ポリシーを感じさせてくれるアーセナル以外のプレミアって嫌いです。その自分的には悪の枢軸的なプレミアの象徴を、本当スカッとするよう攻撃サッカーで打ち破ってみせました。
それは正に今シーズンバルセロナがやってきたサッカーを最後まで貫いた瞬間でもあります。
FCバルセロナの攻撃的なサッカーに敵味方問わずこう言います。「あれがあのクラブの哲学なんだ!」FCバルセロナの哲学、それは、この哲学を持ち込んだ張本人オランダ人ヨハン・クライフの言葉「美しく勝て!」に集約されると思います。
とにかく今シーズンのバルセロナのサッカーはあきれるほど機能的で美しい、且つ強かった。魅せることと勝つことの両立ってのは並大抵のことではないのはバルセロナの歴史が物語っています。クライフが73年に加入後も黄金期を迎える1990年までの優勝回数はわずか2回。レアルの引き立て役の1チームに過ぎなかった訳です。転機はやはりクライフの監督就任。1988年に就任すると試行錯誤を繰り返しながらも、「美しく勝て!」の哲学が花開くことになります。1990-91シーズンからリーガ4連覇。1991-92シーズンには同クラブ初の欧州制覇も成し遂げました。クライフとバルセロナの哲学を体現したチームは「ドリームチーム」と呼ばれました。
しかし、盛者必衰の理、ドリームチームの崩壊が始まります。象徴的だったのは、リーガ4連覇で臨んだ93-94シーズンの欧州チャンピオンズリーグ、決勝でバルセロナACミランと相まみえることになります。下馬評ではドリームチームと称されるバルセロナ圧倒的有利。しかしふたを開けてみると、ユーゴの天才デヤン・サビチェビッチ一人の前に0-4という惨敗を喫することになります。翌年にはベスト8でリベリアの怪人と呼ばれたジョージ・ウェアパリSGに敗退。個の力によって圧倒される光景は、正にバルセロナと攻撃サッカーの終わりを予感させました。
バルセロナの攻撃サッカーの哲学にかかせないのはカンテラと呼ばれる下部組織。ここで若い時から一貫してバルセロナの哲学を叩き込み、育て上げた選手をピッチに送り込む。スター選手と生え抜きの選手の融合こそがこのクラブの強みでした。
しかし、95年のボスマンルール採択により、外国人枠の概念が根本的に変わりました。カネでかき集めるだけかき集めたもん勝ち!!このルールにより、バルセロナのサッカー哲学の源流ともいうべくアヤックスなどは壊滅的な状態に陥りました。一方バルセロナは、勝てないシーズンが続くと、右へならえとオランダ人ファンハールと彼の連れてきた何人ものオランダ人プレーヤーを招き入れます。徹底した管理サッカーにバロセロナの哲学は見る影もありませんでしたが、このチームは1997-98シーズンからリーガ2連覇と一応の成果を上げました。しかし、このオランダ植民地化とも言うべき状態と、なによりバルセロナらしくないサッカーにファンはNOを付きつけます。
案外、バロセロナの哲学の真の担い手はこのファンなのかもしれないな、と今となっては思います。
そのリーガ2連覇を最後にバルセロナは再び暗黒期が訪れます。その間ライバルレアルは、「カネでかき集めるだけかき集めたもん勝ち!」の精神のもと銀河系軍団と呼ばれるスター集団を作り上げ我が世の春を謳歌してました。
正直ジダンのプレーはともかくとして、何ともつまんねーサッカーだなってのが自分の印象でした。何で日本のテレビ局やタレントたちがあのサッカーにウハウハしてるのか全く理解できなかった。。。
もう、ドリームチームや94-95のアヤックスのようなサッカーは見られないのかな・・・とも思いました。
しかし、この勝てない時期にもバルセロナの哲学は見えないところで脈々と受け継がれていたようです。カンテラからはシャビ、イニエスタ、メッシ、ボージャンなど今日、あるいは次代のバルセロナ攻撃サッカーの担い手が次々と登場します。
さらにバルセロナカンテラの選手はバルセロナに留まりません。07-08シーズン、最も美しいサッカーと称されたアーセナルの若き司令塔セスク・ファブレガス、彼もまたこのカンテラの出身でした。
バルセロナライカールト監督がその実直な姿勢でバルセロナに再び活力を取り戻すと、今シーズン、そのカンテラ出身としては初の監督となったジョゼップ・グアルディオラの手腕によって、ボクらは正に歴史の証人となることができました。

ふぅ〜、長かった・・・
つまりある哲学を完成させるには、それだけ時間がかかるってこと事を言いたかった訳なんだけど・・・

从・ゥ・从<本当かね?
リ ・一・リ<ただダラダラと長くなっただけだろ?

(;つД`)<・・・


そして℃-uteも・・・と言いたいところですが・・・
確かに彼女たちがデビューしてから7年、そして℃-uteとして4年で、彼女たちしか持ちえない℃-uteらしさ!ってものを築いてきましたが、哲学として語るにはまだ時間が短すぎますから、やめときましょう。

リl|*´∀`l|<誰も頼んでないんだけどね!

・・・

それにしても、あれだけスペースのない現代サッカーで、あそこまでパスを繋ぎまくって、それで勝ってしまうってのは凄い。
もう欧州サッカーを見て15年くらいになりますが、今年のバルサは自分の見てきた中では間違いなく最高のチーム。他の多くの人と同様、間違いなく歴史に名を刻むチームだと思います。

ちなみに冒頭の友人とは、哲学なんてお堅い話よりも、サッカーや森高さんの話ばっかしてたなww
今とあんまり変わってない・・・
まぁ、自分は何年たとうが哲学なんて呼べるもんは何一つないってことだすな・・・(^_^;)