ASIAN STONE〜扉は開かれた〜

10/16にリリースされたドロシーニューシングル「ASIAN STONE」。この曲との出会いは8月に行われたドロシー定期公演でした。
TIFやIDOL NATIONでライブでの評価を益々高めていたドロシーへの期待の部分と、しかしアルバムで見せたクオリティには及ばなかった前作「colorful life」によるドロシーサウンドへの一抹の不安。
そんな期待と不安の入り混じった新曲発表でしたが、ライブを終えて瞬く間にこの楽曲の虜になってしまいました。
みも様がブログで常々インストも聴いて欲しい、と言っているようにまずはメロディラインがとにかく素晴らしい。心地良い4つ打ちビートが織りなす浮遊感は、くるりの名曲「ワールズエンド・スーパーノヴァ」を思い起こさせてくれます。

しかし最初のライブではメンバーが全然歌えていないなという印象も受けました。個人的にはドロシー史上屈指とも言える難度だろうなと思いました。でも、このアーティスト指向の強い楽曲、これを歌いこなす事ができたら凄い事になるし、彼女達ならやってくれるんじゃないかなという思いもありました。

それから沢山のライブで聴いて、そしてCDを手に取って聴いてみて、改めてこの楽曲の素晴らしさを噛みしめています。
恐らくアイドル界広しと言えども自分達の楽曲を語る時、「世界観」というコトバを使うのはドロシーくらいなんじゃないかと思います。

「ASIAN STONE」は何よりこの世界観が素晴らしい。その世界観を完ぺきに表現した彼女達の歌が素晴らしい。
オフィシャルサイトのライナーノーツにもあるように今曲では「不安と期待が入り乱れながらも真直に前を向いて 歩んでいく」そんな強い意志を持った人物像が描かれています。

まりちゃん、こうみんの不安な自分を奮い立たせる1番、前へ進もうと決意するみもるーが描く2番、メンバーそれぞれの歌声が1曲を通して一人の人物が成長していくさまを見事に表現しています。
まりちゃんのCメロからラストのサビでの5人の力強さは、鳥肌ものの高揚感を覚えます。

まりちゃんの叙情感たっぷりの歌声やかなでしの安定感がこの難曲のベースであることは間違いないのですが、
自分はとりわけ、颯爽としたみも様、優しさと温かみのあるるーちゃんの2番が非常に印象的でした。こうみんを含めた高2トリオの確かな成長を感じたし、ドロシーというグループは改めて5人が5人誰でもセンターを張れる力はあるし、アニメのキャラクターのようなハッキリとした色分けがされる訳ではないのだけど、5人それぞれに個性があって、とても良い歌声だなって思いました。
そういった意味でも今回の楽曲の世界観はこの5人でした表現しえないと思っています。

ちなみに歌詞は我々世代には懐かしい永井真理子さんが手がけているのですが、メンバーと永井さんとで意見交換しながらこの歌詞は出来あがったそうです。この辺も自分たちが表現したい「世界観」というものを常に持っているドロシーらしいなと思いました。




そんな情感タップリの表題曲から一転、c/wは非常に遊び心満載のロックテイストに溢れた楽曲が揃いました。

前作「colorful life」ではこの「遊び」が無くて少々物足りなかったのですが、今回はその反動からか見事な遊びっぷり。

特に「恋をしてるのきっと」は「ASIAN STONE」に勝るとも劣らない衝撃を受けました。
60年代ロックを思い起こさせる軽快なビートとキャッチーなメロディラインは楽曲としても非常にクオリティが高いです。そして歌詞がもう本当可愛らしくて、ドロシーのキャッチコピー「聴けばカラダが踊り出す、見れば皆が恋をする」を地で言ったようなサウンドです。
特にまりちゃんのサビの可愛さはドロシー必殺のフィニッシュブローだなって。たったワンフレーズだけでも世界観をガラっと変えてしまう圧倒的な表現力を持つまりちゃんの歌声の凄さも改めて感じました。


悶絶するほどの可愛さと、一切隙のない楽曲のクオリティ、こちらも紛れもない名曲だと思います。


CLAP!は2曲に比べると楽曲としてのクオリティは若干落ちるかなと(個人の好みですが)思いますが、最初の曲タイトルが「UK ROCK」だったくらいなので、エッジの効いたギターのイントロも印象的な非常にロックテイストの濃いサウンドに仕上がっています。

この楽曲の特徴は表題の通り、クラップをとりいれたり、オッオッオッオーという掛け声を入れたりと、対ライブ仕様の楽曲として作り込まれています。
とはいえそこはドロシークオリティ、クソ曲で無理矢理盛り上げようって事は勿論なく、楽曲だけ聴いても十分楽しめると思います。

今回の「ASIAN STONE」は胸を張って皆に薦められます。

ASIAN STONE (Type-C)

ASIAN STONE (Type-C)



ドロシーは「ASIAN STONE」でオリコンチャート7位を獲得しました。
チャートよりもチャレンジを優先した今回の楽曲で前回を上回る結果を残した事はとても価値があると思います。
毎回リリースイベントの度にドロシーを知らない人が、彼女達の歌やダンス、そして握手会でその人柄に触れて、少しずつ輪を広げて行った成果だとも思います。


いずれにしても、彼女達と喜びを共有できて自分も本当に嬉しいです。

実は今回の楽曲、c/wの振り付けはラッキー池田さんが担当しています。これまでにはないユニークなダンスでドロシーの表現の幅がまた広がったなって印象を受けます。
勿論「ASIAN STONE」でのドロシーらしいダンスパフォーマンスと表現力は圧巻です。

是非多くの方にドロシーのライブパフォーマンスを目にして、そして感動を味わってもらえたらなと思います。