らん再演

秦組 Vol.4『らん―2011 New version!!―』初日の2公演観劇してきました。

再演ではありますが。。。

やはり、らんはらんでした!!
迫力の殺陣、魂を揺さぶる三重奏、そしてそれぞれの人間模様が交錯する深みのあるストーリー、そして何より女優矢島舞美の熱演、もうすべてが昨年7月の奇跡の5日間で味わった感動そのものでした。

勿論再演というだけあって、前回から色々と変更点も加えられています。
特に、元々長かった上演時間がさらに延びて2時間半以上になりました。途中に休憩を挟んだ2幕構成。
前回は描かれなかった、らんと赤谷との出会いや弥之助の誕生、そして石影、月影兄妹や影軍団の出会いなど、各キャラクターを深く掘り下げていました。
秦さんらしいなと思いました。主役だけではない。50人もの登場人物それぞれにドラマがある。そういった1つ1つのドラマにスポットライトを当てることで作品としての深みが増していくんだと思います。この辺りは私がそれまで観てきたゲキハロなんかとは大きく違う点です。
過去のシーンが多い故、時系列が結構複雑になっています。この辺りは初見だと結構分かりずらいかもしれませんね。
変更点で一番印象的だったのは、やはり冒頭部分とラストのシーンです。
前作では、らんの回想シーンで始まりました。らんの正太郎への想いを決定付けた、すなわちらんという女の子の運命を決定付けたシーンです。このシーンがあって、後にイタチがらんの荷車を押せたことに感激するシーン、さらにはらんの最期のコトバと見事にリンクしていきます。
言わばらんで最も重要なシーン、今回この冒頭のシーンが2幕の冒頭で少ししか描かれていなかったのはちょっと残念でした。
そして今回の冒頭は。。。前回のラスト以降がほんの少し描かれています。
活発で正義感溢れた正太郎の変わり果てた姿。。。

これを見て、さらにラストの半分に減ってしまった村人達を見て、やはりこの作品の一番のメッセージは「自分達の生き方を曲げない事の大切さ」であると感じました。
常に人に翻弄されて生きてきた村人たちは最後には「正太郎の言う事を聞いておけばよかった。。」と後悔を口にします。
その頭上では、「私達だけがウソはつかなかった!」と胸を張るナズナハコベが村人を蔑むような目線を投げかけるシーンは、勝者と敗者をクッキリと描いているように感じました。
そしてらんの言う「泣きごと」を言って、らんを斬ったこと、自分の行動を後悔した正太郎。彼はその優しい人柄故、周りの人に翻弄されて、結局は自分の考えを曲げてしまいました。
その彼が己を悔いる冒頭とリンクしていきます。
結局自分の生き方を曲げてしまった、村人や正太郎こそ、この戦いの敗者なんだろうと思います。

下ネタや小ネタもパワーアップして本当に見所満載ですwww

ストーリーや作品そのものについては千秋楽後に時間があればもう少し掘り下げて書いてみようかなと思います。


それにしても、今回の再演、舞美嬢も本当に待ち遠しかったんでしょうね!!
今作では前作にも増して、激しく動き回るのですが、初演では、前半のシーンでらんが動く度に、シューズが床をキュッキュッっと擦る音が聞こえて、もう舞美嬢の踊る様な気持が伝わってきました。(2公演目はこの音はあまり気にならなかったので、それだけ初演は本当に気持ちが前のめりになっていたのかなと思います。)
その舞美嬢、本当可愛くてカッコ良くて、前作の感動そのままでした。でもあれから10か月、随所に成長の後も見られました。
全体的にとても感じたのは、演技が凄く自然になったということです。
例えば「それは10年前・・・」の台詞。会場に響き渡る大きな声で語られます。前作ではとても一生懸命大きな声をだしている印象を受けましたが、今作では物凄く自然に出ていた気がします。
怒りのシーンも前作ではエキセントリックとも言えるくらいでしたが、今作では前作ほど表面上は激しくないのだけど、でも内面からの怒りというものが表情だったり仕草だったりでうまく表現されていたと思います。

でもやっぱり「らん」という舞台の舞美嬢は。。。
自分も℃-uteのメンバーの感想と全く同じです。
とにかくかっこよかった!!

ナカジマです。
らん、最高
らん。(あいり)



そしてこの舞台を観て改めて思いました。
秦さんがパンフレットで舞美嬢に寄せたコトバを借りるなら、



矢島舞美という女優、彼女と出会えたことを、心から幸せに思う。




このブログに目を通してくれている方は、少しは矢島舞美という子に興味を持たれている方だと思います。
そんな方達で、もし「らん」をご覧になったことがないという方がいらっしゃったら、

観た方がいいですよ、とは言いません。

可能なら絶対観るべきです。

幕開け


やはり、らんはらん、私が人生で出会った最高の劇です。