マジメな音作り

MUSIC MAGAZINEという月刊誌を通勤中や昼休みに眺めています。洋邦を問わず、また色々なライターが様々な視点からしたためた雑多な記事が掲載されていて、結構いいヒマ潰しになります。
読み始めたきっかけは10月号でミッシェルの特集号を買って。ミッシェルを9.11以前とそれ以降に分けて、前者をピカソの「青の時代」のようになぞらえた切り口や、第2回フジロックのあの事件のレポ、「”なんとかロック”とは決定的に違う、危険で破壊的で美しく屹立した、純然たるロックンロールを見せてくれたバンドだった」という印象的なくだりなどなど、読んでて結構ハマってしまいました。
音を文字で表すアイディアも豊富で、色々と参考にさせてもらってます。

そのMUSIC MAGAZINEの最新号で、「特集ベストアルバム2009」なる企画が組まれていました。ジャンル毎に2009年のアルバムベスト10を決めてしまおうという、いかにもこの時期にありがちな企画ですが興味深く読ませてもらいました。
その「歌謡曲/Jポップ」部門では、Perfumeカエラに次いで、第8位に真野ちゃんの「はじめての経験」がランクインしていました。

個人的には真野ちゃんの今年のシングル(そうアルバムじゃないですよね(^_^;))で一番好きな作品ではありましたが、正直ちょっとビックリしました。コメント欄には「ハロー!プロジェクトが生んだ最後の清純派アイドル」と解説されていましたww
ハローというか音楽業界全体を見渡しても、ここまで古典的なアイドル歌手っていないんじゃないかと思います。そういった点が評価されたのかもしれませんね。
ただ、ここの選者達は「秋元康がやっぱり嫌いだと再認識した一年」「ヘキサゴン軍団とか完全に四畳半フォーク化した似非ラップ・ユニット群とか、そんなやつらの音楽を世にはびこらせるなよ!」と適当な音づくりに対しては辛らつな言葉を浴びせていることからも、一応真野ちゃんの音楽に対しての評価なんだと思います。

かつてQuick Japan誌でPerfumeの特集をしていた時、ナカタヤスタカが「Perfumeの音楽はアイドルの曲にあらず」と言っていたことがあります。少々語弊のあるような表現の気もしますが、その意図するところはマジメに音作ってるゾ!という事ではないかと思います。刹那的で使い捨ての印象さえあるアイドル、だからアイドルが歌う曲もインパクトはあるけど、すぐ飽きる安っぽいモノでよい、こんな考えが横行しているのも事実だと思います。今のAKBなんて失礼ながら正にそんな感じがするし、かつてヒット曲を連発していた頃のハロプロにも同じ空気を感じました。
翻ってPerfumeの楽曲は曲としても十分楽しめるし、とても洗練されていると思います。それがアイドルの曲にあらずというのはまた別の話だと思いますが。
現在のハロプロの楽曲作りにも個人的には非常にマジメに作ってる印象を受けます。そして℃-ute真野ちゃんスマイレージとある程度経験を積ませてからメジャーデビューさせてる方法論などを見ると、刹那的ではなく、じっくりと育てようという姿勢も感じられます。

来年もこの姿勢を貫いて、良い曲、そして良いステージを期待したいと思います。

と、年末らしく締めてみたりしましたw