憧れのギタリスト

やはりこの事に触れない訳にはいくまい。

20090722 訃報 7月22日未明、 弊社所属アーティスト、アベ フトシ(安部 太)が、 急性硬膜外血腫の為逝去致しました。 享年43歳でした。 謹んで皆様にお知らせ申し上げます。
以下略

rockin' blues.com

アベは言わずと知れたthee michelle gun elephantのギタリスト。ミッシェルは解散から6年経っても未だにオレの中ではダントツで日本No.1バンド。そのギタリストだったアベは勿論オレが日本で一番好きだったギタリストだった。

アベと言えばトレードマークのテレキャスで、これまた代名詞とも言える高速カッティングをかます。ヒリヒリするようなミッシェルのサウンドに、時に狂ったようにかましてくるあのカッティングは、熱狂と絶叫の果ての快感へと誘ってくれた。
実はミッシェルは初期の頃から聴いていた訳ではなかった。Get up lucyの頃から周りには勧められたけど、あの頃は自分の中ではポップス全盛、ジュディマリ辺りにお熱を上げていたと思う。
だいたいドライブでミッシェルとかかけられんし(^_^;)

リアルタイムで聴いたのはもう後期と言ってもいい「Rodeo Tandem Beat Spector」から。愚直なまでに4つのコードをひたすらかき鳴らす「暴かれた世界」や、殆ど2つのコードだけでメロディを形成する「赤毛のケリー」、その音のシンプルさと、シンプル故の無駄の一切ないストイックなサウンドにとにかく虜になった。ライブもいった。
そこでのアベはウエノとは対照的にほぼ直立不動でクールな演奏に終始する。

そのクールさに惚れた。

その後、過去の名盤を漁ったり、昔のライブ映像を見た。その中の一つ、98年のフジロック


とにかく度肝を抜かれた!!

余りの激しさに何度か中断を挟んだ伝説のGIGだが、一発目のCISCOを投下した瞬間から、爆弾でも投下されたかのようなオーディエンスの熱狂ぶり。そこで音をかき鳴らしながら踊り狂う4人。あのクールだと思っていたアベが鬼の形相で弾いてる。オーディエンスに鋭い視線を投げかけて、蹴りまでかます!!


圧倒された。ものスゲーカッコ良かった。最近フェスとかで、ハードコアの若い兄ちゃんたちがステージ上で爆音鳴らして暴れまわってる光景をよく目にするけど、そんなのとはモノが違う!

オレの今日の音楽的嗜好は、こんなミッシェルによってかなりの部分を形成されたと言っても過言ではない。

それを少しばかりでも、いや、相当捻じ曲げてくれたのは7人組だった女の子たちなのだが、その話は今回はやめておこう・・・


さて、ミッシェル晩年はクールなイメージが定着した感のあるアベだが、それでもラストライブのラストGIG「世界の終わり」で最後は弦が1本ブチ切れるまでかき鳴らしたあの、熱いサウンドは決して忘れない。

アベが死んでも、アベが刻んだビートはオレの中でいつまでも鳴り続ける。
素晴らしい音楽をありがとう。そして安らかに。