正しい?お金の使い方

プレミアシップ、先週のブラックバーン戦でサイドからペナルティエリアへ細かく切れ込んでからネットを揺らすスーパーゴールを決めたアルシャービン。紆余曲折を経てアーセナル加入から1か月。いよいよ本領発揮と言ったところでしょうか。
彼の獲得には約20億の移籍金がかかったと言われています。これを高いとみるか、安いとみるか。
世界的に不景気なこのご時世を考えればサッカー界にとっても決して安い金額ではないでしょう。しかし、昨夏の欧州選手権で強烈なインパクトを残したスター選手であることを考えると、個人的にはむしろ安い買い物ではなかったのかと思います。
昨夏にバルセロナなんかは、サイドバックであるダニエウ・アウベスに約50億円もの大金を払ったことを考えれば尚更です。最もアウベスのその後の活躍は、その金額に見合うものだし、そもそも欧州サッカーの潮流として、アルシャービンのような攻撃的プレーヤーよりもサイドアタッカーにお金をかける傾向にあるようです。先のダニエル・アウベスや、インテルマイコンなんかも相当高額な移籍金が発生するでしょう。
ところでJリーグの潮流ってどうでしょう?個人的な感覚ではとにかく堅実に身の丈にあった選手を補強する、これに尽きると思います。前節で鹿島を葬り去った新潟などはその最たる例。スタメンの日本人の半数以上を他チームで戦力外となった選手が占めています。安価でチームに合った選手を補強してチーム力とするプロビンチャのお手本のようなチームです。
日本最大のビッグクラブガンバ大阪は昨オフ大型補強が話題となりました。確かにJで実績のある選手を何人も獲得していましたが、すべてJで実績のある選手という点が逆に堅実と言うか、セコイというか、何か夢のない補強だよなぁと文句の一つも言いたくなりました。Jで実績のある選手を獲る、確かに堅実だし基本的には正しいコンセプトだと思います。
ただJ創世期の鹿島のジーコグランパスストイコヴィッチ、浦和のブッフバルトジュビロドゥンガ、やっぱりこれら世界的な名手には、ピッチに立っているだけでも心が躍るものです。
しかも彼らは単なる戦力として以上に色々なものを残してくれました。J創設時99%J加入はありえないと言われた鹿島のJリーグ加入の原動力となり、その後ジーコスピリッツと呼ばれる精神を植え込み、常勝軍団の礎を作ったジーコ。お荷物球団だった浦和や名古屋を強豪チームの仲間入りさせたブッフバルトストイコヴィッチ。更に彼らは監督としてもチームに多大な貢献をしてくれています。
かつて噂にもなったネドヴェドとかデルピエロが本当に加入していたら、そのチームはマジでスゲー変わったと思うんですけどねぇ。
スター選手は時として決してお金では買えないものをもたらしてくれるし、何よりファンが見たがってるということをJの強化担当も考えて欲しいもんです。