マジックウォーズ

ユーロも佳境に入って、いよいよ準決勝。1試合目のドイツ-トルコではメンバー9人落ちと満身創痍のトルコが、ミラクルターキーと称され旋風を巻き起こしている勢いそのままに、ドイツをあと一歩というところまで追い詰めました。ゲームの質はともかく、手に汗握る好勝負でした。
2試合目は、自分が優勝予想したスペインと、ヒディングマジック再びと、こちらも大旋風を巻き起こしているロシアの対決。
特にアルシャビン加入以来、スピード感ある攻撃は要注意。
前半は互角の勝負もスペインは今大会絶好調のビジャを失うアクシデント。同じくフランスがエースリベリーを失って大失速した二の舞を演じてしまうのか。。。
否。今大会のスペインの選手層はそんな軟なもんじゃありません。スタメンをごそっと入れ替えた予選第3戦、しかしそのピッチに立っていたのは、アーセナルのエースセスク・ファブレガスであり、リバプールの司令塔シャビ・アロンソ、同じくリバプールのGKレイナに、リーガ得点王のグイサ。。。はっきり言って2ndチームでも優勝を狙えるんではないか?という分厚さ。
この日も本家魔術師、ヒディングのお株を奪うアラゴネスマジックは顕在。リードしている後半途中であえてシャビ・アロンソ、グイサを投入という攻撃的なメンバー変更が見事に的中し、一気に試合を決めました。
そして自分が今大会最も期待していたセスク。ビジャの交代で入ると、これぞセスクという好パスを連発。先制点を奪ったイニエスタ-シャビのホットラインに、セスク、そして今大会MVP級の働きをしているシルバ。クワトロ・フゴーネスが今大会初めて同じピッチに立った攻撃は創造力に溢れていました。本当圧巻であり、美しかった!
力強さ、迫力という点では今大会のオランダも大いにインパクトを残してくれましたが、こんな美しいサッカーを見たのは、自分の記憶する限りでは95年に欧州の頂点に立ったアヤックス・アムステルダムぐらい。

決勝はそんな美しいサッカーとは対照的な超現実的なサッカーのドイツ。トータルフットボールですら成しえなかった、ファンタジーがリアリズムを超える、そんな命題を現実のものとすることができるのか?
もしスペインが己のサッカーを貫いて頂点に立てば、それは現代サッカー史において、前回のギリシャの優勝に匹敵する、いやそれ以上の快挙と言えるのかもしれません。