We are Buono!〜「アイドル」だってなめてんじゃねーぞ!〜

Buono!ツアーが始まりました。昨年の2本のツアーが、どちらも素晴らしいクオリティだったので、今回も期待大です。まぁ個人的にはBuono!ツアーでは初のオールスタンディングに一抹の不安はあるのですが・・・ちなみに今ツアーは来週の日曜のみ参戦予定です。
まだ内容は見ていませんが、当然先日リリースされた3rdアルバムを引っ提げてということになるのでしょう。「We are Buono!」タイトルからして並々ならぬ意欲が伝わってくる今作ですが、今Buono!がやりたい音楽というのを明確に打ち出しているんじゃないでしょうか。

We are Buono!(初回限定盤)(DVD付)

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テンポ良いドラム音が吐き出されて開始するM1「One Way = My Way」そこから初期カエラの傑作「You know you love me?」を彷彿とさせるパンキッシュなギターのメロディライン。比較的穏やかな過去2作品とは明らかに違う疾走感溢れるオープニングトラックから、今作でBuono!の指向するところを感じ取れます。
続く最新シングルM2「Our Songs」はその疾走感をそのまま持続して、ロッキンBuono!ワールドへの道をひたすら突き進んでいきます。これ以外にもメロパンよろしくな、AKIRASTARさんらしい高速アッパーチューンM8「カタオモイ」、そしてご存知、M7「Bravo☆Bravo」などなど、今作は特にパンク色を前面に押し出しています。

勿論、M9「Blue-Sky-Blue」のようにBuono!らしい清涼感溢れるロックチューンも健在です。
さらに4ビートのドラムが炸裂するイントロも印象的な、力強さヘビーさを前面に出したM3「Independent Girl〜独立女子であるために」はBuono!の新機軸とも言うべくトラック。個人的には今作のハイライトの1つです。今までのBuono!サウンドにはあまり無かったヘビーさが印象的です。1年前では、音のヘビーさにボーカルが負けてしまっていたことでしょう。
しかし、今のBuono!は違います。まずは愛理が力強い高音ボーカルをかましてくれます。そしてこう言ったヘビーな曲に驚くほどマッチしているのが嗣氏。彼女の独特な力強さ、クールさが発揮されたBメロは必聴の域です。

1stの「泣き虫少年」「ロックの神様」2ndの「消失点」「ゴール」と言ったように、Buono!アルバムには、これは!と強烈なインパクトを残してくれるトラックがあります。個人的に今作でそういったトラックは断トツでM5「うらはら」。嗣氏のクールな歌声にいきなりゾクゾクさせられます。みやびちゃんの語りかけるような甘い歌声、エフェクトをかけた変化球もありと、ちょっぴりサイケデリックな不思議な雰囲気を醸し出しています。
作曲を担当した岡本弥紀さんはハウスやR&B、いわゆるクラブミュージックを手掛けている方らしくて、ナルホド、独特のクールさやサイケな感じはそんな臭いを感じます。

ロックロックしているアルバムではありますが、PVの世界観そのままに、爽やかさ全開のM6「Take It Easy!」や、タイトルの通り、あたかも紅茶を飲んで一息つくような癒しの時間が流れるM10「紅茶の美味しい店」など、一服の清涼剤もしっかりと納められていて、バランスという面でもかゆいところまで手の届く構成となっています。

カワイイ女の子が事あるごとに「ロック!に行きますよ!」なんて叫んで。ただのネタちゃうか?最初はそんな風にも思いました。でもやっぱどう聴いても、彼女達のやってる曲って紛れもないロックなんだわ・・・
改めてそう感じて、そしてBuono!の懐の深さを感じるのが今作のラスト2曲。

M11の「タビダチの歌」は聴いてる内に涙が出てくる傑作。まず何と言っても3人の力強いボーカルが心地良い!その心地良さから系統的には過去のバラード調の曲の臭いも若干感じますが、曲から感じる雄大さは寧ろ「ゴール」に近いものを感じます。これはBuono!的ブルースと呼べるんじゃないでしょうか。
メッセージ性の強い歌詞といい、Buono!版ライブアンセムの誕生を強く感じました。

ラストは表題曲でもある「We are Buono!Buono!のテーマ」。もうタイトルからして確信犯的ですが、何とまぁ分かりやすいことかwww
ゴリゴリしたリフとご機嫌のハードロックサウンドに乗せて彼女達から吐き出されるメッセージ、

「アイドル」だってなめてんじゃねーぞ!
I LOVE MUSIC! We are Buono!

AIRI + MIYABI + MOMOKO = Buono!


気もちいいまでに叫びたい事を叫びまくって。でもこれこそロックの特権w
トラックではレコーディング時の咳とかお喋りまで収録されてて、どんだけ賑やかで自由なんだ!ww

ロック聴いててこんなに笑顔がこぼれそうになるのって凄い。素晴らしいトラック群の締めくくりは最強Buono!3人娘。のやりたい事がギッシリ詰まったRock全開Buono!なナンバーです。


3作目というのは意外と重要なものです。娘。は大ヒットLOVEマシーンを含む華やかな作品になりましたが、それは同時にアーティスト的なものからよりアイドル的なものへの指向のターニングポイントとなった作品でもありました。
我らが℃-uteは、それまでにない多様な音楽を取り入れた言わば実験的なアルバムでした。それが翌年の「(4)憧れ My STAR」へと繋がって行きました。オアシスに至っては、3rdで名声が地に堕ちてしまいましたし・・・

そんな中Buono!の選択は不変でした。ただ、これまで以上にロック路線を強めた印象を受けました。過去2作品ほどの多様性(といっても過去2作品もそれほど振り幅が広いとは思いませんが)はありませんが、平均値は過去2作品を大きく上回っています。
実は最初聴いた時は、平均値が高いけど、インパクトに欠けるなぁって印象だったんです。それは今回のBuono!の音楽が個人的には日常親しんでいるものに近かったからなのかもしれません。ただ何回も聴き込んでいく内にだんだんハマってきました。
今では「We are Buono!Buono!のテーマ」で愛理が最後に「終わっちゃったハハハ・・・」ってこぼしているのは自分がこのアルバムを聞いた感想そのままですww

1曲目から最後まで12トラックがあたかも50分弱の1トラックのように一気に聴けてしまう、いや本当凄いアルバムです。
こりゃライブも期待しない訳にはいかないですね!

ちなみにアナザージャケットは2作品連続で愛理でした!!